フケが出て悩んでいる人は多いのではないでしょうか?実は、フケが出ることは自然な現象です。しかし、大量にフケが出てしまう場合には、頭皮で肌荒れが起きてしまっている可能性も。
この記事では、フケの原因とおすすめの対策方法について解説します。
どうしてフケが出るの? フケが出る主な原因を解説!
フケが出て気になっているけど、どうしてフケが出るのか原因を知りたいという人は多いのではないでしょうか。ここでは、フケが出る主な原因について解説します。
そもそもフケってどういうものなの?
そもそもフケとは、頭皮の古くなった角質のことを指します。頭皮はターンオーバー(皮膚が新しくなること)に伴い、古くなった皮膚は角質へと変化します。
皮膚はおよそ1か月程度で角質が剥がれ落ちて新しい皮膚へと生まれ変わります。そのため、フケが出ること自体はごく当たり前のことなのです。しかし、このフケの量が多くなってしまうと、頭皮からのSOSのサインの場合も。
気になるほどのフケが出る原因とは?
気になるほどのフケが出る原因の1つにフケ症(頭部粃糠疹)があります。このフケ症(頭部粃糠疹)では、細かい角質が多量に頭皮から剥がれ落ちてきます。この原因としてアンドロゲン(男性ホルモンの1種)や頭皮の常在菌が関係していることもあります。
また、自分の頭皮に合わないシャンプーやリンスを使っていたり、食生活や睡眠時間、ストレス状態などが原因の場合もあります。
細かいパラパラのフケであれば、乾燥性湿疹、湿り気があるなら脂漏性皮膚炎の可能性もあります。
ここからは、多量のフケが出る原因についてさらに詳しく解説します。
ヘアケアによる影響|合わないシャンプーやリンス
頭皮からのフケが多すぎる原因として、合わないシャンプーやリンスを使っている場合があります。自分に合っていないシャンプーなどのヘアケア用品を使ってしまうと、頭皮の状態が悪くなってフケが大量に出てしまうことも。
例えば、乾燥肌の人が洗浄力の高い高級アルコール系シャンプーを使ってしまうと、さらに頭皮が乾燥して皮膚炎を起こしやすくなってしまいます。
また、皮脂の多い頭皮状態の人が、洗浄力の弱いシャンプーを使った場合は、皮脂が残りやすく湿っぽいフケが多量に出てしまうこともあります。
自分の頭皮状態にあったシャンプーを選ぶことは頭皮ケアをする上でとても大切なポイントです。ただし、シャンプーのやり方が悪く、洗い残しが多い場合もあります。ヘアケアは正しい方法で実施することが大切です。
頭皮の乾燥|乾いたフケ(乾燥性湿疹)
頭皮が乾燥して乾いたフケが多量に出る場合には、乾燥性湿疹の可能性があります。乾燥肌の人などは、乾燥性湿疹になりやすいです。乾燥した状態を放置しすぎて湿疹へと移行すると、乾いたフケが大量に出る症状がみられます。
これらは主に秋や冬によく見られる症状で、乾燥した肌が外からの刺激に対して敏感になり、お風呂で身体が温まるようなささいな刺激でもかゆみを感じたり、頭皮が肌荒れを起こしたりします。このように頭皮が乾燥し肌荒れを起こすことでフケ(頭皮の角質)がはがれやすくなり、乾いたフケが大量に出てしまうのです。
皮脂の過剰な分泌|湿ったフケ(脂漏性皮膚炎)
皮脂の過剰な分泌は、湿ったフケを出しやすくなります。ただし、大量に湿ったフケが出る場合は、脂漏性皮膚炎の可能性もあります。
脂漏性皮膚炎では、髪の毛の生え際部分など皮脂の分泌が盛んな場所に湿疹ができて、黄色味を帯びた湿り気のあるフケもしくは、乾燥したうろこ状のフケが出ます。
これは、頭皮に常在しているカビ(マラセチア)が増殖し、肌荒れを起こすことが原因です。カビ(マラセチア)は皮脂を栄養としていて、分解することで遊離性脂肪酸へと変化します。
この遊離性脂肪酸が頭皮へダメージを及ぼして肌荒れを起こすことで脂漏性皮膚炎になってしまうのです。
他にも食生活(特にビタミンB群の不足)や睡眠不足といった生活習慣などが原因になっている場合もあるので、日常生活の見直しも必要となるでしょう。
生活習慣の乱れ|食生活・ストレス
生活習慣の乱れは、脂漏性皮膚炎を引き起こす原因の1つといわれています。偏った食生活でビタミンB2やB6が不足することで頭皮が脂性に偏ってしまうことや、睡眠不足によってホルモンバランスが崩れてしまうことが根本的な原因であることが多いです。
睡眠不足は、成長ホルモン・メラトニン(抗酸化ホルモン)を減少させ、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を増大させて交感神経を優位にしてしまいます。
交感神経が優位になると、皮脂の分泌が盛んになります。これによって頭皮への血流量が低下し、脂漏性皮膚炎につながることもあります。
年齢や性別による原因はある?
フケが大量に出ることについて、年齢や性別によって差があるのか気になる方は多いでしょう。ここでは、年齢・性別によって違いがあるフケの原因について解説します。
男性|男性ホルモンの影響
男性は、男性ホルモンの影響で皮脂の量が増えてしまうことが皮膚炎の原因となる場合があります。男性ホルモン(アンドロゲン・テストステロン)は皮脂の分泌と関係しています。
女性よりも男性は男性ホルモンの影響で2~3倍ほど皮脂が多いことが明らかになっています。そのため男性は、正しいケアができていないと脂漏性皮膚炎になってフケが多くなる可能性が高いです。
また、加齢に伴って男性ホルモンの分泌が減少してしまうことで、今度は頭皮や肌が乾燥しやすくなり、乾燥したフケが出てしまうこともあります。
このように、男性は男性ホルモンの分泌によって頭皮の状態が大きく左右されるため、フケが生じやすいです。
女性|ホルモンバランスの乱れ
女性のフケは月経ホルモンと関係しています。月経ホルモンには、黄体ホルモン(プロゲステロン)・卵胞ホルモン(エストロゲン)の2つがあります。
黄体ホルモン(プロゲステロン)には、皮脂を分泌する働きがあります。一方で、卵胞ホルモン(エストロゲン)には、頭皮や髪のうるおいを保ち頭皮の細胞を増殖させる働きがあります。
女性の月経ホルモンは、月経周期(卵胞期・排卵期・黄体期)によって分泌レベルが変わります。卵胞期から排卵期にかけては、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌レベルが高く頭皮の細胞が増殖します。
しかし、排卵期にさしかかると卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌レベルが下がり、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌レベルが高くなります。
つまり、卵胞期~排卵期は、皮脂が少なくなるので乾燥しやすく、乾いたフケが出やすくなります。排卵期~黄体期には、皮脂が多くなるので湿ったフケが出やすくなるのです。
また、黄体期にPMS(月経前症候群)になると、セロトニンという食欲を抑制するホルモン分泌のレベルが下がるので、チョコレートや脂っこいものなどを食べてしまい脂漏性皮膚炎になってしまうケースもあります。
また、女性は40代(閉経期)にさしかかると卵胞ホルモンの分泌が減ることで乾燥肌になりやすく、乾いたフケが出ることも。
このように、女性ホルモンの分泌にともなって頭皮の状態が変わるため、その時々にあったケアが大切になります。
子ども|ターンオーバーが早すぎる
子どものターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)は、スパンが短くフケも出やすいです。特に新生児は、一時的に皮脂の分泌が多くなり皮脂量が非常に多くなり湿っぽいフケが出やすい傾向があります。
しかし、生後3か月を過ぎると急激に皮脂量が減って乾燥しやすくなります。そして一生涯の中で最も乾燥しやすい乳幼児期へと移行します。
子どもの皮膚は薄くターンオーバーも短いうえに、バリア機能が未熟です。そのため頭皮の状態に合わせた食生活やシャンプーの選び方などもフケ対策としては大切なポイントです。
日常生活でできる! おすすめの対策方法を紹介
フケの原因は、日常生活が原因の場合が多いです。では実際にどのようなケアをすればよいのでしょうか。ここでは、日常生活からできるフケの対策方法を紹介します。
1. 頭皮ケア・ヘアケアを見直そう
頭皮ケアにおいて、ヘアケアはとても重要です。なぜならば、頭皮に合ったシャンプーを選んだり、シャンプーを正しく実践したりできていないと、フケが出てしまう可能性が高いからです。
シャンプーには、大きく3つの種類があり、肌の状態によっておすすめのシャンプーは変わります。下記表を参考にしてシャンプーを選んでみてください。
頭皮湿疹を予防するおすすめのシャンプー種類 | ||
乾燥肌の人 | 脂性肌の人 | 敏感肌の人 |
アミノ酸系シャンプー ※保湿成分が含まれているもの | 高級アルコール系シャンプー 石鹸系シャンプー ※髪への負担が少ないもの | アミノ酸系シャンプー ※肌への刺激成分が配合されていないもの |
またシャンプーのやり方もとても大切です。洗い残しが多かったりすると、皮脂が十分に洗い流されることなく、フケの原因になってしまうことも。そのためシャンプーをした後は、3分~5分は洗い流すようにしましょう。
2. 食生活を見直そう
食生活は皮脂の分泌と密接に関わっています。特にビタミンBが不足してしまうと、脂漏性皮膚炎の原因にもなり、湿っぽいフケが出てしまうことも。
ビタミンBは、B1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンの8種類があり、豚ヒレや豚レバー、マグロやカツオといった食品に多く含まれています。
このように、食生活は、皮脂の分泌へ影響するので、頭皮の状態を整える大切な要因なのです。
3. 睡眠不足を解消しよう
睡眠不足の解消は、フケの改善にも影響します。睡眠不足に陥ってしまうと、成長ホルモンの分泌が減少し、頭皮のターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)が正常に行われにくく、角質ばかりが作られていまいフケが多くなってしまいます。
22:00~2:00は睡眠のゴールデンタイムといわれるほど、成長ホルモンの分泌が活発です。
特にこの22:00~2:00の間の深い眠りの状態(ノンレム睡眠時)で多く分泌されます。
ノンレム睡眠状態を迎えるのは、入眠してから約3時間と言われているため、22時か23時には睡眠がとれるようにしましょう。そうすることで成長ホルモンが多く分泌されターンオーバーが正常に行われるので、フケ対策として効果的です。
4. こまめなストレス解消を心がけよう
ストレス解消はフケ対策として効果的です。現代社会では、多くの人がストレスを感じています。ストレスの原因は対人関係や仕事などの精神的ストレスだけでなく、暑い・寒いといった物理的ストレスまでさまざまです。
人はストレスにさらされることで、コルチゾールと呼ばれるストレスホルモンが体内で分泌されます。このコルチゾールは、頭皮などで肌荒れを引き起こす活性酸素が増えるので、皮膚炎などを引き起こしやすいです。
適度な運動や気分をリフレッシュするようにすることで、ストレスホルモンの分泌レベルが下がるので、頭皮へ良い影響を与えられることから、フケ対策として効果的だといえます。
セルフケアで改善しない場合は病院へ行こう!
上記で紹介したようなセルフケアで改善しない場合は、何かしらの疾患を発症している可能性もあります。そういった場合は、皮膚科などの専門機関へ行くようにしましょう。
皮膚科で頭皮の診断をしてもらうことで、フケの原因を突き止め、根本的な治療を受けられるでしょう。
皮膚科ではどんな治療を受けるの?
皮膚科では、ステロイドなどによる治療を受ける場合が多く、短期間での改善がみられるでしょう。頭皮の場合には、液体のローションを使う場合が多いです。
ただし、ステロイドは副作用がある薬でもあります。たたでさえ頭皮は皮膚が薄い部位なので、皮膚科医に適切な処方をうけることで治療に効果的なステロイドを提供してもらえるでしょう。
また、根本的な原因改善のために、自分の頭皮状態に合ったシャンプーを教えてもらったり、食生活の指導を受けられる場合もあります。
ステロイドを使用した治療は一時的なので、根本的な原因を突き止めて自分の生活を見直すためにも、専門機関を受診することはフケ対策として効果的です。
できることから日常生活を見直してフケを防ごう!
フケが出ること自体は、悪いことではありません。しかしながら、フケが大量に出てしまうことは、頭皮で肌荒れを起こしている可能性も考えられます。
フケの原因としては、合わないシャンプーやリンスを使うことで頭皮が乾燥しすぎたり、皮脂が十分に落ちていなかったり。ほかにも食生活やストレス、睡眠時間といった生活的な要因もあれば、ホルモンの分泌などが影響していることもあります。
日常的からフケの原因となるような生活をしていないか分析してみて、対策をしてみてくださいね。
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