亜鉛が髪にいいってホント? 亜鉛を取り入れるにはどうすればいいの?

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手のひらの上のサプリメント
目次

    亜鉛が髪にいいってホント? 亜鉛について解説!

    頭を抱える男性
    髪の健康が気になっている方であれば、「亜鉛が髪にいい」という話を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

    ここからは亜鉛が髪に良いのか、どのような効果が期待できるのか紹介していきます。

    亜鉛ってどんな栄養素なの?

    亜鉛は人の健康を維持するために必要な栄養素であり、全身の細胞で使われます。主な役割は免疫システムを維持するのに使われ、不足することでさまざまな欠乏症が起こる可能性があります。

    ここからは亜鉛の概要について詳しく紹介します。

    ミネラルの一種|骨格筋や骨、皮膚など体内に2g存在

    亜鉛は「必須ミネラル」に該当するので、生きる上でなくてはならない栄養素です。主に骨格筋・骨・皮膚・脳・肝臓などに存在しており、体内に合計2gほど存在します。少なく感じるかもしれませんが、亜鉛は少ない量で健康に影響を与える「必須微量元素」です。

    また、亜鉛は体内に蓄えることができないので、常に微量でも摂取し続ける必要があります。免疫システムの手助けをする以外にも、体中のタンパク質を合成するためにも使われます。

    亜鉛の必要摂取量はどれくらい?

    亜鉛は微量元素なので1日の必要摂取量は非常に少ないです。年齢とともに必要量は増えていき、日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、1日に必要な量は成人男性で10mgほど、成人女性で8mgほどです。1日の必要量は少ないですが、この少ない量で健康に大きな影響を与えるので注意しましょう。

    亜鉛の腸管吸収率は30%

    亜鉛の腸管吸収率は約30%ですが、摂取する量や一緒に摂取する栄養素によって吸収率は変わります。亜鉛の吸収率を高める栄養素にビタミンCがあるので、亜鉛を多く含む食品を食べるときは、レモンなどの柑橘系も同時に摂るのがおすすめです。

    亜鉛が不足するとどんな症状が出るの?|亜鉛欠乏症

    亜鉛が不足すると「亜鉛欠乏症」になり、さまざまな症状が起こる可能性があります。

    • 皮膚炎・脱毛
    • 貧血
    • 味覚障害
    • 発育障害
    • 性腺機能不全 など

    皮膚や毛髪には亜鉛が多く含まれているため、亜鉛不足による影響を受けやすいです。

    亜鉛が薄毛・抜け毛対策に役立つ理由とは?

    亜鉛が不足すると脱毛(抜け毛)などの欠乏症が出るため、継続的に摂取する必要があります。普段から積極的に亜鉛を摂るようにすれば、亜鉛不足が原因で起こる脱毛を解決できるでしょう。

    ここからは亜鉛が薄毛・抜け毛対策に役立つ理由を紹介します。

    1. ケラチンの合成をサポートしているため

    髪の毛は「ケラチン」というタンパク質(アミノ酸)が主成分です。亜鉛はケラチンを合成する際に必要な栄養素であり、髪の毛を作るサポートをします。亜鉛が足りない状況が続けば、髪の毛を作るサポートがなくなるので上手く髪の毛が作れません。

    反対に、亜鉛をしっかり摂取することで髪の毛が作られやすくなるのです。

    2. AGA|5αリダクターゼの分泌を抑制するため

    AGA(男性型脱毛症)は「5αリダクターゼ」という酵素が関わっています。この5αリダクターゼが男性ホルモンに存在するテストステロンと結合すると、ジヒドロテストステロンという脱毛を促進する物質に変化します。

    亜鉛には5αリダクターゼの働きを抑制する役割があるので、脱毛の原因を解消するのに役立つでしょう。

    亜鉛を取り入れるには? おすすめの方法を紹介!

    健康的な食卓
    亜鉛の1日に必要な量は10mgほどと少ないですが、継続して摂取する必要があります。亜鉛欠乏症を予防し、髪の毛の健康を維持するためにも効果的に亜鉛を摂る方法を押えておきましょう。

    ここからは亜鉛を摂るおすすめの方法を紹介します。

    食事にとり入れるなら|牡蠣・レバーなど

    亜鉛を継続的に摂取するためには、食生活を変えて亜鉛を多く含む食材を積極的に摂るのがおすすめです。以下は亜鉛を多く含む食材と100gあたりの亜鉛の量です。

    • 牡蠣(生):14.0mg
    • 牛肉(ロース):5.8mg
    • 豚レバー:6.9mg
    • かに(毛蟹):3.3mg
    • たまご(卵黄):3.6mg
    • 凍り豆腐:5.2mg
    • 煮干し:7.2mg
    • ごま:5.9mg

    最も多いものは牡蠣で100g中に14.0mgも含まれています。煮干しも亜鉛を多く含んでいますが100g中に含まれる量なので注意が必要です。牡蠣など毎日摂るのが難しい場合は、煮干しや卵黄、ごまなど料理と組み合わせが良いものを活用するのがおすすめです。

    サプリメントで補う方法も

    亜鉛の吸収率が30%であることを考えると、食事だけで必要量の亜鉛を継続して摂るのは難しいでしょう。亜鉛を食事から摂取するのが難しい場合は、サプリメントを活用するのがおすすめです。

    サプリメントであれば料理よりも簡単に亜鉛を補給でき、継続して摂ることで亜鉛欠乏症を防ぎやすくなります。もし持病がある場合や摂取に不安がある場合は、服用前にかかりつけの医者やクリニックに相談するようにしましょう。

    過剰摂取には注意!

    亜鉛のサプリメントを使うときは過剰摂取に注意しましょう。不足しがちな亜鉛ですが、たくさん摂れば良いわけではなく、取り過ぎるとかえって健康に害が出てしまいます。

    亜鉛自体に毒性はありませんが、たくさん摂ると銅や鉄の吸収が悪くなりやすいです。結果、銅欠乏症・鉄欠乏症になる可能性があり、貧血・汎血球減少症・神経障害・胃の不快感などが発生します。

    亜鉛の1日の摂取量の上限は成人男性で約40~45mg、成人女性で約30~35mgです。

    亜鉛の吸収を高めるには?

    亜鉛は同時に摂る栄養成分によって吸収率が変わります。どのような栄養素と相性が良いのか把握しておけば、効率良く亜鉛を摂取できるでしょう。

    ここからは亜鉛の吸収を高める方法を紹介します。

    1. クエン酸やビタミンCを一緒に摂取する

    亜鉛の吸収を高める代表的な栄養素は「クエン酸」や「ビタミンC」です。クエン酸を一緒に摂ることで吸収率を高める役割があり、ビタミンCにはクエン酸の役割をサポートする効果があります。

    つまり、亜鉛を摂るときはクエン酸・ビタミンCと同時に摂るようにしましょう。

    2. タンパク質も忘れずに摂取する

    髪の毛のために亜鉛を摂るときは、タンパク質もセットで摂取することが大切です。もともと亜鉛は髪の毛の主成分であるケラチンの合成を助けるものなので、ケラチンの材料であるタンパク質は欠かせません。

    亜鉛の吸収を妨げる成分もあるの?

    亜鉛の吸収を助ける栄養素があるように、吸収を妨げる成分もあるので注意が必要です。以下の栄養素は、亜鉛の吸収を妨げてしまいます。

    • カルシウム:過剰摂取すると亜鉛の吸収を阻害する
    • 食物繊維:ミネラルと結びつくので、亜鉛が吸収されず排出される
    • 食品添加物:ポリリン酸・フィチン酸などの添加物は亜鉛の働きを阻害する
    • アルコール:過剰摂取すると亜鉛の排出量が増える

    これらの成分は適量であれば問題ありませんが、過剰摂取すると亜鉛の働きを邪魔するので注意しましょう。

    亜鉛を取り入れて健康な髪を育てよう!

    テーブルの上のサプリメント
    亜鉛には健康を維持する役割があり、髪の毛の合成にも関わっています。亜鉛が不足した状態だと、髪の毛を構成するケラチンが作られにくくなるので、普段から亜鉛を積極的に摂るようにしましょう。

    食生活を変えるのが難しい方は、サプリメントを使うことで手軽に不足分を補えます。しかし、亜鉛は過剰摂取すると健康の害になることもあるので、摂り過ぎには注意しましょう。

    普段の生活に亜鉛を取り入れて、是非健康的な髪を育ててみてください。また、髪の毛の状態や脱毛などの症状が気になる方は、早めにクリニックなどで受診するようにしましょう。

    参考:
    食品成分データベース(文部科学省)

    板東ともあき(神田西口クリニック院長)
    監修:板東ともあき(神田西口クリニック院長)
    2011年:自治医科大学医学部医学科 卒業。2011年〜2014年:東京都や埼玉県の総合病院にて研修。2014年〜2019年:東京都内の複数クリニックにて男性医療に従事。2019年:神田西口クリニック開設、「男性専門のコンビニクリニック」をコンセプトに、神田駅前に開業。
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