男性の多くは自分の薄毛、いわゆる「はげ」について考えたことがあるのではないでしょうか。はげは、そのほとんどがAGAと呼ばれる脱毛症です。ただし、それ以外にもさまざまな種類があり、AGAにもタイプがあります。
そこで今回の記事では、はげの種類について解説していきます。自分でできる対策方法も説明しているので、抜け毛が増えてきたと感じている方は、ぜひ参考にしてください。
はげにはどんな種類があるの?
「はげ」と一括りにいっても、症状や原因によって種類が異なります。症状によって対策方法も異なるため、どのような種類があるのか把握しておくことは非常に大切です。
そこでこの項目で、はげの種類についてわかりやすく説明していきます。
髪の毛の脱落で起きるもの|円形脱毛症など
正常な状態の髪の毛が抜け落ちることで、はげてしまう場合があります。たとえば、円形脱毛症や休止期脱毛、栄養障害などによる脱毛があてはまります。
これらが発症する理由は、一概にはいえませんが自己免疫力の低下や栄養不足、ストレスなどさまざまな要因が考えられます。
病気の症状として起きるもの
はげの種類として、脱毛症以外の病気が関係して薄毛になるパターンもあります。
- 膠原病(こうげんびょう)
- 梅毒(ばいどく)
- 抗がん剤や抗うつ剤など、薬による副作用
このような、内科的な病気や皮ふ疾患、薬による副作用などによって抜け毛が増えてしまうのです。
間接的な要因によって薄毛になった場合、根本的な病気を治療すると回復する可能性が高いです。そのため、気になる症状がある場合はすぐに病院で診断してもらいましょう。
軟毛化が原因で起きるもの|AGA(男性型脱毛症)
はげになってしまう方は「軟毛化」が原因の可能性もあります。軟毛化とは、ヘアサイクルが乱されて毛があまり成長せず、髪が細く柔らかくなってしまった状態です。
そして、ヘアサイクルを乱してしまうのは「AGA(男性型脱毛症)」が関係しています。つまり、AGAによって髪が軟毛化してしまい、はげになってしまうのです。
AGAのメカニズムとは?
男性ホルモンの1種であるテストステロンは、生え際や頭頂部などの毛乳頭細胞にある5αリダクターゼ酵素と結びつくと「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されます。
DHTが頭皮にあるアンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)と結合した場合、髪のヘアサイクルを乱す脱毛因子を生み出します。脱毛因子によってヘアサイクルが乱されることで、毛の成長ができず、軟毛化が起こり抜け毛が増えてしまうのです。
これがAGAが発症するまでの大まかなメカニズムであり、はげてしまう原因です。
AGAにも種類がある! 3つのタイプを紹介
日本人男性の3人に1人が発症する可能性があるAGAですが、大きく分けて3つのタイプがあります。タイプを見分ける際には、薄毛がどこから進行しているのかで判断します。では、それぞれどのような特徴があるのか解説していきましょう。
1. O字型|つむじ・頭頂部から薄毛になる
1つめは、つむじ・頭頂部からはげていく「O字型」です。真上からみたときに、薄毛の形がアルファベットの「O」に似ていることで、この名前が付けられました。
O字型は、自分で確認しづらい場所がはげていきます。そのため、気づかないうちに薄毛が進行してしまう可能性がある危険があります。
2. M字型|生え際の脇から薄毛になる
2つめは、生え際の両脇から薄毛になっていく「M字型」です。M字型の明確な定義はありませんが、左右の生え際が後退していたり、前髪をあげたときのおでこの形が「M」に見えたりする場合は、M字型と判断できるでしょう。
3. U字型|前頭部から薄毛になる
U字型は、生え際から頭頂部にかけてはげてしまうパターンです。わかりやすくいうと、O字型とM字型が同時に進行してしまうタイプです。
U字型の場合、はげが進むと後頭部と側頭部の髪が残ります。その状態で頭上からみたときに、アルファベットの「U」のように見えるため、この名前が付けられています。広い範囲で薄毛になっている状態なので、はげが目立ちやすく、気にしてしまう方も多いでしょう。
はげの進行を食い止めるにはどうすればいいの?
はげの種類やAGAのパターンを紹介しましたが、それぞれで極端に対策が変わるわけではありません。
この項目で、はげてしまった場合にどのように進行を止めたらいいのか対策方法を紹介します。
まずはクリニックに相談しよう
薄毛や抜け毛に少しでも不安がある場合、まずは専門のクリニックに相談しましょう。上述したように、はげてしまう原因はさまざまです。そのため、自分で判断すると取り返しのつかない状態になる可能性があります。
とくに、AGAは自然治癒できない脱毛症です。頭皮環境を整えたり、生活習慣を見直したりしても薄毛はどんどん進行するため、クリニックや病院で薬をもらうのがおすすめです。
最初にクリニックに相談して適切な診断を受けたあとに、どのように対処したらいいのか判断していきましょう。
AGAの場合|どんな治療を受けるの?
AGAと診断された場合、主に日本では以下の治療法が有用とされています。
- フィナステリド(内服薬)
- デュタステリド(内服薬)
- ミノキシジル(外用薬)
これらの治療は、日本皮膚科学会が発表した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」でAGAに有用と発表されました。そのため、AGAへの対策が必要となった場合は、上記3つの中から治療方法を選択するのがおすすめです。
自分でできる対策方法はある?
はげへの対策として、専門的な治療だけでなく、日常的なことから改善できるものがあります。この項目で、すぐに実践できる3つの対策方法を解説します。
1. 生活習慣を見直そう|睡眠・飲酒喫煙など
生活習慣を見直すことで、はげの進行を予防することができます。
睡眠不足や飲酒喫煙などは、髪の成長に悪影響です。質の高い睡眠が取れていない場合、成長ホルモンの分泌が阻害され、コシとツヤのある髪が育ちません。飲酒や喫煙は、血の流れを悪くさせます。その結果、髪の成長に必要な栄養素が届きにくくなり抜け毛や細い毛が目立つようになります。
質の高い睡眠を取れるように心がけ、飲酒や喫煙はできるだけ控えるなど、小さなことから生活習慣を改善していきましょう。
2. 食生活を改善しよう|栄養バランスの良い食事を
栄養バランスのいい食事をとって、食生活を改善することもはげの予防におすすめです。髪の成長には、タンパク質や亜鉛、ビタミン類などの各種栄養素が重要です。そのため、普段の食事から改善していきましょう。
3. 頭皮環境を改善しよう|適切な頭皮ケアを行おう
頭皮環境の改善も、はげの進行を遅らせるために大切です。頭皮環境が悪い方は、皮脂の過剰分泌や乾燥などが起こります。その結果、雑菌が繁殖したり、ふけが増えたりすることで、毛が弱々しく抜けやすくなる可能性が高いです。
頭皮環境を改善するには、肌にあったシャンプーを使い、頭皮の保湿やマッサージなどを行いましょう。
頭皮環境を整えるのにおすすめの「カーボニックススカルプシャンプー」について、別の記事で解説しています。自分に合うシャンプーの見つけ方がわからない場合は、ぜひ参考にしてください。
自分に合った治療と対策で薄毛を食い止めよう
「はげ」や「薄毛」といっても、円形脱毛症やAGA、病気の症状など、発症した原因にはさまざまな種類があります。そのため、はげになった原因を自分で判断するのはおすすめできません。
少しでも気になる部分がある場合は、まずクリニックに相談にいきましょう。診断を行ってもらい、専門家から教えてもらった適切な対応方法を実施してください。
また、並行して自分でできる予防を行うことも、薄毛の進行を遅らせるために大切です。生活習慣や食生活の改善など、すぐにできるものは早めに実行していきましょう。